薄さやコントラストの高さで話題の有機ELですが、気になるのはその価格。
その価格は決して安いとはいえず今後の開発や価格の動向は気になるところです。
今回は有機ELテレビと液晶テレビの価格差などをもとに今後の有機ELテレビの情勢や買い時について考えてみたいと思います。
<各社有機ELテレビ、液晶テレビ比較表>
ブランド名 | 型名 | 販売希望価格(円)[税抜] | 実勢価格(円)[税込] | |
有機EL | 東芝REGZA | 65X910 |
899,880 |
554,700 |
ソニー Brabia | KJ-65A1 |
749,880 |
594,398 |
|
パナソニックViera | TH-65EZ1000 |
911,800 |
681,500 |
|
LGエレクトロニクス | OLEDE7P |
860,000 |
481,800 |
|
液晶 | 東芝REGZA | Z810X |
629,880 |
340,000 |
ソニー Brabia | KJ-65X9500E |
339,880 |
437,287 |
|
パナソニックViera | TH-65DX950 |
780,100 |
498,000 |
|
LGエレクトロニクス | 65UJ630A |
― |
220,000 |
メーカーの販売希望価格と実勢価格を現況として以下にまとめました。
有機ELテレビと液晶テレビの実勢価格をメーカー毎に比較してみると1.3倍から2倍の価格差があります。これも成熟製品と発展途上にある製品の違いにあるものだと思います。
まだ有機ELテレビは高いと言うのが実態で、今はまだお買い時ではないように思います。
2019年から有機ELパネルが量産されて安くなる?
そこで朗報ですが、JOLED(2015年1月にソニーとパナソニックの有機ELパネルディスプレイ開発部門を統合してできた会社で、議決権は産業革新機構が75%、ジャパンディスプレイが15%、ソニーとパナソニックがそれぞれ5%ずつ保有します。) が研究開発を進めてきた低コストの有機ELディスプレイの量産技術に目処を付け、サンプル出荷開始を発表しました。
2019年からの量産が予定されているそうです。コストの掛かる真空蒸着によるディスプレイ回路形成方式によらず、常温常圧の清浄空気環境下での印刷技術による回路形成方式で、大面積連続生産につながる画期的な技術だそうです。液晶ディスプレイでは導入できなかった技術で、40%もの大幅なコストダウンにつながるそうです。よって2019年以降に価格がこなれてくることが考えられますね。
小型化は可能なの?
有機ELテレビは現在55型など大型のものしか発売されていません。小型化は可能なのでしょうか。
技術よりもビジネスの問題
技術的にはより小さいサイズの有機ELパネルの生産も可能だと思われます。ですが、ここでコストの問題が出てきます。
現在有機ELテレビのパネルのほとんどはLGが生産していますが、蒸着方式という製造の仕方で品質のバラつきが多く、中型パネルを製造するとコストの面で採算が合わないようです。
JOLEDの印刷方式に期待
さきほど紹介したJOLEDは印刷方式での有機ELパネルの量産に目処をつけて、医療用を手始めに21.6型の有機ELパネルのサンプル出荷をしているので、これから先20~40型の有機ELテレビが登場してくることも考えられます。
JOLEDは2019年からの量産を予定しているということですから2019年に中型の有機ELテレビが登場してくるかもしれませんね。
有機ELテレビの買い時はいつ?
当面、有機ELテレビをコントラストが極めて高く映像品質に優れているという特性を生かした用途に使い。家庭用としては、2019年以降の量産化の流れを見ての購入がおすすめだと思います。東京オリンピックには間に合いそうです。
4K放送対応の問題
近年は4Kテレビが話題になっています。ですが2017年現在では4K放送は始まっていません(BSなどで一部試験放送はあり)。
また、4Kを見るためには4K用のチューナーが必要なんですが現在販売されている有機ELテレビには4Kチューナーを搭載したものとそうでない物があります。
こうした面からも有機ELテレビの購入はもう少し先がいいのかもしれません。
まとめ
というわけで有機ELテレビは今は買い時ではないという判断に至りました。
ただ、有機ELには液晶には無いメリットもあるわけで
「テレビが壊れて買い替えになる、液晶は白っぽいのが嫌だ」
「いま液晶より薄型で軽いテレビが欲しい(軽さは機種にもよりますが)」
といったような人は価格面やチューナーの問題も考慮した上で有機ELを検討してみるのもいいかもしれません。
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