液晶テレビに取って代わるかもしれないと期待をされている有機ELテレビ。黒色がくっきりと表現できるなど画質面ではかなりの評判ですが、目の疲れについてはどうでしょうか。今回は有機ELテレビと液晶テレビとで目の疲れに違いがあるのかどうか考えてみたいと思います。
画面を見ることによる目の疲れは大きく分けて2種類
ディスプレイの目に対する影響については、「画面を凝視し続けることによるドライアイ」「ブルーライトによる眼精疲労」の2種類の障害があげられます(ブルーライトが目に悪いという根拠はいまだに研究段階だそうですが今回はそれは置いておきます)。
この2点について液晶・有機ELを比較しています。
ドライアイは有機EL、液晶共通の課題
パソコンは仕事をする上で今や無くてはならない存在になっています。そしてそのパソコンと長時間向き合う中で起きるのがドライアイです。通常1分間に20~30回程度の瞬きが、画面を凝視し続けると回数が1/4程度に激減してしまい、眼球が十分な涙の潤いを得られず乾燥してしまう状態を言います。眼球が傷付き視覚障害につながることがあります。
このドライアイはCRTから始まって、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイまで、共通の課題です。有機ELは映像がきれいになったからといって画面を凝視し続けることに変わりはありません。やはり小休止を取り目を休めるとか長時間連続の作業を避けるとか、目を休めるための対策が必要です。
ブルーライトも有機EL、液晶両方にある
次にブルーライトに関してですが、有機ELディスプレイの発光体をなすLEDは液晶ディスプレイのバックライトにも使われており、どちらにもブルーライトがあります。よってブルーライトは有機EL・液晶どちらからも出ていると考えることができるでしょう。
発光効率を上げる為に光の3原色の赤、緑、青の単色LEDは素材開発が進み、益々光強度が高まっています。ディスプレイのブルーライトは強まる傾向にあります。有機ELディスプレイに限らず、ブルーライトカットメガネが必要アイテムになるのかもしれません。
有機EL・液晶という区分けではなく機種個別を見極める必要がありそう
有機EL、液晶どちらからもブルーライトは出ているので目に優しいテレビを求めるならば個々の機種を見極めたり自分に合った調整をしたりする必要がありそうです。
有機EL・液晶といったくくりで考えず
- テレビのコントラストや明るさなどの設定を調整して自分の目が疲れにくい設定を探し出す
- ブルーライトカットパネルを使ってみる
- 可能ならば実際に展示されているテレビを見てみる
といったことのほうが大切なのではないでしょうか。
有機EL・液晶と気にするよりはこうした保護パネルを使用するほうが効果があると思われます。
参考:ブルーライトについて
ブルーライトによる眼精疲労の問題は液晶ディスプレイ以降に起きてきた要件のようで、360ナノメートルから495ナノメートルの波長をもつ青色の光の強度が液晶ディスプレイ以降高まってきているのが原因とされています。CRTではこの領域の光強度は低いようです。
人間の視細胞には、暗いところでも見える桿体(かんたい)と言う光受容体と、明るいところで色も見える錐体(すいたい)という受容体で構成されると言われてきましたが、2002年頃にブルーライトに感応する受容体が発見されました。
この受容体は視覚ではなく人間の生体リズムに関与していることが分かってきております。日中に太陽の強い光を浴びること、つまりブルーライトにより、生体のリズムが整えられ、夜眠られる仕組みになっているとのことです。
しかし、日照時間を大幅に超えてブルーライトを浴び続けていると、生体リズムに乱れが生じるようです。夜遅くまで、ディスプレイを見つめていると、寝つきが悪くなり、悪化すると不眠症になり精神的な安定が削がれて自律神経の失調を招くことにつながるようです。
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