近年は海外メーカーに圧され気味の家電業界。国内メーカーにも頑張ってもらいたいところですが・・・シェアはどのくらいなのでしょうか。
有機ELテレビのメーカーとパネルのメーカーのシェアはどんな感じなのかちょっと調べてみました。
有機ELテレビメーカーのシェア
有機ELテレビのマーケットは、LGエレクトロニクスの市場占有率90%を超える独壇場であったものが、今年になってソニー、パナソニック、東芝の3社が発売を開始して、今年6月にはソニー60%、LGエレクトロニクス30%、パナソニック/東芝10%とマーケットが大きく動きだしました。
発売直後に6割にシェアを伸ばしその影響力がうかがえます。パナソニック、東芝の製品も発売されることでどんどんとシェアが変化していきそうですね。
生産技術が進歩する中で、今後ますます薄く、軽く、そして安くなって行くと思われます。
有機ELパネルメーカーのシェア
日本のマーケットはLGよりもソニー、パナソニックを選ぶ傾向が強いようです。
しかしながら、使われているパネルは3社共LGからの部品供給で賄われているとのことです。
また、中小型のモバイル向けパネルは韓国サムソンが97%と圧倒的なシェアーを押さえていて、有機ELディスプレイはその殆どが韓国製であるのが現状です。
YOUTUBEに上がっている動画によるとサムスンが9割以上を占めています。次にLGが1割弱となっていて韓国メーカーに独占されている状態です。
別の記事をチェックしてみるとサムスン92.6%、LGが5.3%、そして3位にやっと台湾メーカーのAUOが0.7%で登場します。
現在はサムスンは携帯向けの方式を採用したパネル。LGは大型テレビ用の方式の有機ELパネルを重視しているようなので有機ELテレビを買うとLGのパネルの可能性が高いでしょうか・・・
参考:世界の有機ELパネルの生産能力は今後5年間で4倍以上に増加へ – IHS
国内メーカーとして期待のかかるJOLED(ジェイオーレッド)
JOLED(ジェイオーレッド)はジャパンディスプレイ、ソニー、パナソニックの有機EL事業を合わせて作られた会社です。
印刷方式というコストの安い生産方法でのパネル量産を目指しており、2019年に独自方式で有機ELパネルの量産開始を目指しています。これがうまくいけば有機ELパネルのシェアは大きく変わっていくかもしれません。
参考:JOLEDが印刷方式による有機ELパネル量産に向け資金調達か 「当社の発表ではない」
有機ELの部品は日本の電子部品メーカーが支えている
パネル自体は韓国勢が圧倒的シェアを占めていますが、その部品に関しては日本のメーカーが製造しているケースが多いようです。メーカーをいくつか掲載しておきます。
◎発光材料
出光興産
⇒「蒸着型」発光材料をサムスン、LGに材料供給している。
新日鉄住金
⇒発光効率の高い「燐光型」発光材料を世界で初めて工業化した。
三菱化学
⇒今後の大量生産のキーとなる塗布型の発光材料を開発し、日韓を中心に大手パネルメーカーと商談を進めているようです。
九州大学最先端有機光エレクトロニクス研究センター(研究開発)
⇒世代型有機EL素子用高効率発光材料として熱活性化遅延蛍光物質の開発
◎有機ELディスプレイパネル用蒸着マスク
大日本印刷
トップシェアー
◎真空蒸着装置(サムスン、LGの量産有機ELディスプレイはすべてこの方式によります)
キャノントッキ
・サムスンディスプレイが有機ELディスプレイを世界で初めて量産した時から設備を提供しているとの事です。
・LGディスプレイに対してはキャノントッキの設備の使用を条件づけているとの事です。
◎RGB印刷方式
(EL発光層をRGB3色全て印刷形成する方式を実用化しており常圧清浄大気中での製造が可能となり、真空蒸着方式に比べて飛躍的に生産効率が高まります。)
JOLED
印刷方式の最先端企業
その他
ブイ・テクノロジー
有機ELの製造装置、検査装置を製造しています。有機ELの量産に使う露光装置は世界でもかなりのシェアを誇っているようです。
平田機工
有機ELに関する子会社を設立したり研究開発にも力を入れたりしています。
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